”時代の変化”   

前夫の家は銀座の靴屋。
時代の変化について行けず、今だ、銀座一等地に家がありながら、周囲はビルに立替テナント貸しし、郊外に引っ越し悠々自適な暮らしをしているのに・・・

年老いたオヤジさんに変わり働いていた前夫。
昔ながらの気質で昭和そのものの人。
釣りが趣味で、私も一度だけ沖に出て釣りをしたことがある。

戦後、浅草が華やいでいたが、後に銀座が華やぐことに。オヤジさんが店を始めるときに目の付け所が良かった!兄弟三人居て、前夫が子供の頃は子ども達一人一人にお手伝いさんがついていたほど景気は良かった。

が、次第に皆、高齢になり常連さんも亡くなり、銀座にワシントン靴店をはじめ大きな靴屋さんが出店しはじめ個人靴店の経営が厳しくなる。
頑固なオヤジさんは店で死にたいというほど譲らないから家族が大変だった。

・・・私たちは反対されての結婚だったので、相手方の両親との交流がなかった。子供でも出来れば鎹になったのかもしれない。でも運命はそうならなかった。

真面目な人だったから、一人で頑張っていた。唯一、お酒がストレス解消になっていった。

その合い間に別れたけど、時々、銀座に行っては店の前を通ると前夫が居て、よ!って感じで話すことはあった。

あれから、私は再婚し今を生きてるけど、昨年、ちょうどこの頃に年金の件で社会保険庁に行ったときに、そこで前夫が亡くなったことを知る。

そういえば見かけなかった。

でも、店もいまだにあるけれど、時代の変化について行けず、ひっそり佇んだまま。

靴も職人さんが居なくなってるのは聞いていたけれど、飾り棚にあるはずの靴は少なくなっている。

華やいだ都会の片隅に生きる人が居る。

そこだけが昭和です。

あそこがビルになったら、私の知る銀座ではなくなってしまうだろう。
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by charu-natsu | 2010-05-16 09:24 | 日々是好日

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